8Dec
様々な料理と組み合わせることで真価を発揮するワイン。
どちらかと言うとワインはメインではなく、料理を引き立てる名脇役になることもあり、相性の良い料理なら「マリアージュ」なんて言葉も使われます。
今回はそんなワインとの相性を知るために素材ベースから料理まで「キホン」を皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。
ワインと料理の関係について
合う料理というのは以下の4つの考え方が基本となります。
①素材と産地が同じ
②料理に使用したワイン
③同じ色の料理
④価格帯が同じ
①と②は日本酒でも同じことが言えますね。国内産の素材を使った和食と日本酒はとても相性が良く、日本酒を隠し味に入れた料理も相性は抜群です。ワインもフランス料理などに使用しますので、同じ色のワインを合わせれば相性はとても良くなります。
③は牛肉なら赤を、魚・鶏肉なら白と言うように、素材自体の色や完成した料理の色で合わせると良いでしょう。
価格帯に関しては、やはりせっかくフランス料理のフルコースを食べるなら数百円のワインよりも味わい深い数千円以上のワインをチョイスしたいところです。お店で合わせる時はソムリエの方に相談するのが一番です。
料理と合わせるもう一つのポイント
上記以外に同調と呼ばれる組み合わせがあり、例えばスパイシーな料理にはスパイス風味があるワインを、淡白な料理には軽快な白を、という同じような要素を組み合わせる方法もあります。
マリアージュは相性の良い料理のことであったり、単純にワインと料理の組み合わせそのものを指したりしますが、基本的には合わせることが絶対にない組み合わせが予想に反して相性が抜群に良かった場合に使われることを指します。 |
タイプ別・相性の良い食材と料理
赤ワイン
ライトボディ | ミディアムボディ | フルボディ | |
食材 | 白身魚・ハム・ソーセージ | 肉類 | 油が多めの牛・子羊・内臓系 |
調理の仕方 | 茹でる・蒸す・煮る・焼く | 炒める・焼く・揚げる | 炙り焼き・煮込む |
味付け | 塩・クリーム・酢 | 塩・クリーム・バター | バター・スパイス |
白ワイン
ライトボディ | ミディアムボディ | フルボディ | 濃い甘口(貴腐ワインなど) | |
食材 | 魚介類 | エビ・カニ・貝 | 鶏肉・豚肉 | レバー・フォアグラ |
調理の仕方 | 蒸す・茹でる・生 | 焼く・炒める | 焼く・グリル・炒める | 煮る |
味付け | 塩・レモン | 塩・酢・オイル | 塩・バター・スパイス・オイル | 塩・酢・スパイス・甘くする |
ちなみにロゼとスパークリングワインは素材から料理まで相性の幅は広く、どの料理とも合わせやすい。
ワインを飲むことで料理の味が変わる5つのポイント
・酸味
素材の甘味を引き出し、塩気を和らげ、ゼラチン質を溶かす作用がある。口の中がサッパリする。
・タンニン(渋み)
油分を流し、口の中をサッパリさせる。
・ミネラル
素材の臭みを抑えて、後味をスッキリとさせる。
・水分
塩分を薄めて味わいをわかりやすくする。
・アルコール
油分やゼラチン質を溶かし、香りを引き出す。
上記の事から、油分の多い料理にはタンニンが含まれている赤が合い、塩気が多い料理は酸味の強い白がよく合います。また、アクの強い料理にはミネラル成分を多く含んだ白が合うなど、ワインの成分がどのように作用するのか、理解するだけである程度組み合わせがわかるようになると思います。
ワインとチーズの関係
最近、ナチュラルチーズが人気とあって、どのスーパーも専用の売り場を設けるなど、需要が高まっていますが、ワインと言えばやっぱり「チーズ」ですね。欧州ではとくにこの2つの関係は深く魅力的な組み合わせなので、日本でも最近になってようやく定着してきたのかなと思っています。
チーズに合うワインと言えば、赤のイメージが強いと思いますが、チーズの種類によっては、白と相性の良いものもあります。そこでチーズの種類ごとに相性の良いワインを分かりやすく表にしてみましたので御覧ください。
赤 | 白 | ロゼ | |
フレッシュタイプ | 辛口 | ||
青カビタイプ | フルボディ | 甘口 | |
白カビタイプ | 辛口 | ||
ハードタイプ | フルボディ | 辛口 | |
セミハードタイプ | ライトボディ・ミディアムボディ | 辛口 | 全般 |
シェーブルタイプ | 辛口 |
フレッシュタイプ:モッツアレラチーズなど熟成させないチーズ。酸味の強い白、辛口タイプの白が合います。
青カビタイプ:いわゆるブルーチーズのことですね。独特な香りと辛みが癖になるチーズにはフルボディの赤、甘口の白がおすすめ。
白カビタイプ:みんな大好きカマンベールチーズです。白は辛口と言っても、少しコクの有る白と、熟成された赤がおすすめ。
ハードタイプ:パルメジャーノ・レッジャーノはイタリアを代表するチーズ。フルボディの赤と辛口の白がおすすめ。
セミハードタイプ:代表的なチーズはオレンジ色が特徴のミモレット。ライトボディの赤、辛口の白、ロゼ全般が合います。オランダの代表的なチーズ「ゴーダチーズ」もセミハードです。プロセスチーズの原料として使われています。
シェーブルタイプ:山羊のチーズを総じてシェーブルと呼んでいます。表面は灰色で硬く、中はしっとり柔らかい「ヴァランセ」はシェーブルタイプ。辛口の白が合います。
日本人ならやっぱり和食と合わせたい
現在の日本は様々な食文化が入ってきていますから、ワインとの組み合わせは他国以上にあると思います。
また、日本は四季があり、季節ごとに旬な食材を用いて料理すれば、1年を通してバリエーション豊かな料理とワインを楽しむことが出来ます。
では、季節ごとに相性の良い和食をご紹介していきます。
春の料理
冬は冬眠していた草花が芽吹く時。みずみずしい春野菜や採れたての山菜と合わせたいのはやっぱり白。魚介類の塩焼きはミネラルの風味が豊かな白。暖かくなってきたら鮎も解禁しますが、鮎はハーブ系の香がする白がおすすめです。
春といえば桜餅ですね。和菓子と一緒にワインを楽しむのも良いでしょう。桜餅ならフルーティーなロゼがおすすめ。
夏の料理
夏といえばスタミナがつくウナギです。すっかり高級魚になってしまいましたがうなぎの蒲焼きならフルボディの赤と相性が良さそうです。また、サッパリとしたカツオのたたきなら酸味と渋味が程よい軽快な赤がおすすめ。
秋の料理
「食欲の秋」と言われるくらいですから、この時期は様々なものが収穫できて、食材もたくさんあります。きのこ類ならミディアムボディの赤。そしてスーパーの鮮魚売り場に登場する新鮮で脂がのったサーモンは酸味のある白がおすすめです。青魚系は軽めの渋み感のある赤をチョイスしたいところ。
この時期は栗を使ったスイーツも沢山出回りますね。栗きんとんやマロンケーキなどは甘口の白をあわせて楽しみたいところです。
冬の料理
冬も美味しい食材がたくさんあります。牡蠣は、もし生でレモンをかけて食べるならフルーティーな白で、しっかりと味付けした鍋なら赤を。
また、フグやカニなど素材を活かした繊細な料理には、ちょっと奮発して上質な白を選びたいところ。おせち料理はどんなワインが合うかというと、実は少し甘めの方が料理を引き立たせてくれるのです。おせち料理は味がしっかりと付いていますが、クドさはありません。甘めのものが多いと思いますので、ワインも甘めの白をチョイスすると良いでしょう。
代表的な和食
寿司
お寿司と言ってもいろいろ種類がありますが、いわゆる醤油をつけて食べる「握り」は白も良いですがライトボディの赤も実は相性が良いです。また、上質なスパークリングワインなどもお寿司とよく合います。
天ぷら
和食の王道とも言うべき「天ぷら」は天つゆの時も塩のみの場合でも酸味のある辛口の白が相性良くおすすめです。
鍋料理
鍋といえば秋・冬の旬の食材を使った料理として人気ですね。モツ鍋は内臓系なので赤のフルボディを、鶏肉が入ったちゃんこ鍋はフルボディの白がおすすめです。おでんはスープで食べるタイプならライトな白、味噌おでんならライトボディの赤と相性が良いです。
[ad#ad-1]和食と合わないワインについて
和食は魚・野菜・穀物を中心とし、淡い味付けなので酸味や渋みが強いワインは合わないケースが多い。またワインの中に含まれる有機酸は魚特有の臭みを誘発することもあります。
しかし、酸味が少ない白であれば和食との相性もよく、例えば日本のワインの産地として有名な甲州の白などは和食と合わせやすく人気です。
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